Timo Lassy & Teppo Mäkynen
フィンランド
Words by JazzProbe
Main photo: Live at WE JAZZ 2017 in Helsinki.
Interview on July 2nd at Blue Note Tokyo.
2000年代にザ・ファイブ・コーナーズ・クインテット*のメンバーとしてフィンランドのほか日本を含む世界で評価され、現在はそれぞれのプロジェクトで共に多忙を極めるティモ・ラッシー(sax)とテッポ・マキュネン(ds)のデュオが誕生した。今年6月にフィンランドのWE JAZZレコードより待望のデビューアルバムをリリース。そんな彼らが今回、イタリアのニコラ・コンテのバンドメンバーとして来日。ブルーノート東京へ出演中の二人へ単独取材を行った。
*ザ・ファイブ・コーナーズ・クインテットがモントルー・ジャズ・フェスティバル2019に一日限りの再結成をして出演します。
--デュオを結成することになった経緯は?
テッポ:プロセスはシンプルなものだったよ。
ティモ:以前住んでいたアパートの近くにKOMシアターがあって、そこのレストラン*で、そこで何か小さいプロジェクトができたらいいなと思いついたんだ。デュオならいいかなと思って、最初にコンサートをしたのが3年前だね。クオリティの高い内容だったので、一年後くらいにまたそこでコンサートをさせてもらった。そしてレコーディングに向けて、徐々にカーペリ・テヘダス(ケーブルセンター)の練習ルームでをリハーサルを始め、2017年秋に”Calling James”/”Yanki”(2018)を最初に7インチでリリースした。さらにそこで何度かギグを行ったところ、良いインスパイアが得られた。すべてがごく自然に進んだんだ。
*Timo Lassy & Teppo Mäkynen – KOM Ravintola Helsinki – October 24, 2016
*Calling James (Official music video)
--付き合いの長い二人ですが、デュオというスタイルで演奏するタイミングがようやく来たんですね。
テッポ:そうだね、確か最初のコンサートは夏だったよ。だから2年くらいの活動ということになるね。
--では、コンセプトについて教えてください。
テッポ:ティモが最初に小さなアイデアを考えて、ヘルシンキのカーペリ・テへダスの練習ルームですることにしたんだ。即興と長くても3分20秒くらいの作品にまとめるというコンセプトでね。デュオで演奏すること自体、制限があるし、どのような枠組にして、どうすればバラエティに富み、さまざまな感情を曲に込められるかを考えたよ。
--なるほど、演奏時間を3分以内にまとめるという制限を設けたのですね。
では、作曲をすすめる過程でどちらがアイデアを持ってきたんですか?
テッポ:ティモが最初にほとんどのアイデアを持ち込んできたんだと思う。
ティモ:そうだね、よくあるケースとしてはアイデアに基づいてジャムし始めて、あるところまできたら、別のアイデアを試してみたり、時には曲としてまとまることもあるんだ。こうやってすべての曲を発展させていったのは、ごく自然な流れだったと思う。まったくプレッシャーもなかったし、フィーリングを大事にしようとしたんだ。
テッポのレコードやレコーディング・ギアのあるカーペリの練習ルームでリハーサルし始めて、アイデアを出し合ったものの中には色んなサウンドやムードなどたくさんの素材があった。誰にもレコーディングを無理強いされないし、とても自由で良い雰囲気で、一日を過ごしたんだ。例えば、同じビルに入っているレストランでランチして、戻ってきてまた少し話し合って、リハーサルするといったようにリラックスして、自然な流れで音楽が出来上がっていくといったように充実した時間を過ごしたんだ。
--昨年はティモ・ラッシー・バンド*、一昨年はテッポの3TM*と、それぞれエンマ・ガーラ(フィンランドのグラミー賞)*のジャズ・アルバム・オブ・ジ・イヤーを受賞していますよね。来年は、このデュオで受賞できるといいですね。
二人:そうだね。そこがターゲットになるし、そうなる事を望んでいるよ。
--現在の活動と今後のライブ予定はありますか?
ティモ:いくつかヘルシンキでコンサートはあるけど、アルバムリリースしたばかりなので、レヴューやフィードバックも必要だし、コンサートするためのコンタクトも探さなくてはならない。なので、来年は精力的に活動することになると思うよ。今年の予定としては、8月にはフィンランドのFLOWフェスティバル、9月にはヘルシンキのKOKOジャズクラブ、11月にはオウル・シアターでのライブが決まっていて、来年はヘルシンキのG-Livelabも予定しているよ。(筆者は2017年ヘルシンキのWe Jazzフェスティバル*出演時を取材している)
*Live at WE JAZZ 2017 in Helsinki.
--最後に日本のファンにメッセージをお願いします。
二人:将来的にデュオで日本でツアーができればいいと思っているよ。どのタイミングが良いかは分からないけどね。音楽的にもとても満足できる作品に仕上がったことを誇りに思っているし、みんなこのアルバムをチェックして、気に入ってくれることを望んでいるよ。というか、日本のファンは好きなはず、と言っておこうかな(笑)。
<取材協力>
ブルーノート東京
リンク
ティモ・ラッシー・バンド/Q & A (live)3TM/Five New Dukes (Official music video)
エンマ・ガーラ(Emma Gaala):フィンランドのグラミー賞