「デンマーク・ミュージックアウォード・ジャズ2022」の受賞者が決定

デンマーク

Words by JazzProbe

Jeppe Gram
© photo by Camilla Gammelgaard

Jeppe Grams “The Doldrums”

12月7日、デンマークジャズの各カテゴリー年間受賞者を決定する授賞式が昨年までのコペンハーゲン・ブレーメンシアターから初めてオーフス・ミュージックホールへ会場を移して開催。その模様は満員となった会場からデンマークラジオP8ジャズより生放送された。授賞式は作曲家、演奏家、女優でもあるジャネット・アルベック氏が4年連続で司会を務め、観客や視聴者を巧みな話術で導き、授与の合間には5組のアーティストの特別パフォーマンスが盛大に披露され、セレモニーに華を添えた。

今年の受賞者で特筆すべきは実に5部門にノミネートされ、ソロ名義でエクスペリメンタル賞、ホース・オーケストラでジャズ作曲家賞、新設のトラック賞という計3部門で受賞したイエッペ・シーベアが注目を集めた。また、P8ジャズ賞は、今年の開催地オーフスのオーフス・ジャズオーケストラの指揮者であるAnders Ørbækが獲得。ヴォーカル部門では異なるジャンルの要素をミックスしながら、かつ完全に独自のサウンドを創り上げ、国境を超えたジャンルを取り込んだことなどが評価されたTone of Voice Orchestraに贈られた。新人賞は短期間で多くの批評家の称賛を受け、審査員からデンマークのシーンにおける新しい強力な集団と呼ばれたALAWARIが受賞。この夜の最高の賞であるジャズアルバム賞は、イエッペ・グラムの「The Doldrums」に贈られた。『このリリースの背後にいるアーティストは、さまざまな意味で先を行く時代を超えた素晴らしいスタイルだ。過剰なまでにスウィングし、努力も惜しまない、まさに的を射た作品だ。若い声と成熟した声の両方を持つ素晴らしいジャズのレコードは、ジャズが1960年代からその力を保ち続け、さらに60年を迎える準備ができていることを納得させてくれる』と審査員から称賛されている。

受賞式の最後では、ベテラン女性ヴォーカルのギッテ・ハーニングがオーフス・ジャズ・オーケストラとの輝かしい演奏で、今年の「デンマーク・ミュージックアウォード・ジャズ」は幕を閉じた。来年2023年はデンマークにジャズがやって来てから 100周年を迎えるということで、どういったセレモニーになるのか今から期待です。

Horse Orchestra
© photo by Camilla Gammelgaard

Horse Orchestra

◆受賞者
ジャズアルバム賞
Jeppe Gram – The Doldrums (Storyville Records)

エクスペリメンタル賞
Jeppe Zeeberg – Conventional (Selvudgivet)

ジャズ作曲家賞
Horse Orchestra – The Milkman Cometh (Selvudgivet)

ヴォーカル・ジャズ賞
Tone of Voice Orchestra – Tone of Voice Orchestra (Stunt/Sundance)

クロス・メディア賞
Lars Greve – En verden der melder sig (Selvudgivet)

新人ジャズ賞
ALAWARI – ALAWARI (April Records)

トラック賞
Horse Orchestra – Montag ist vielleicht der lustigste Tag (Selvudgivet)

チルドレン・ジャズ賞2022
Casper Mikkelsen & En FanJAZZtisk Trommerejse

ジャズデンマーク賞 
Hess Is More – Apollonian Circles

ジャズ助成金2022 /ミュージシャン賞 
Kjeld Lauritsen

ジャズ助成金2022/オーケストラ賞
Bévort 3

P8ジャズ賞
Anders Ørbæk (Aarhus Jazz Orchestra)

(Live Performance)
Teitur & Aarhus Jazz Orchestra
Gitte Hænning & Aarhus Jazz Orchestra
Smag På Dig Selv
Lilly feat. Gilad Hekselman
Bévort 3
døssing

Aarhus Music Hall
© photo by Camilla Gammelgaard

Aarhus Music Hall