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© photo by Maarit Kytöharju

Verneri Pohjola & Tuomo Prättälä

フィンランド

Words by JazzProbe

いよいよフェスティバルも最終日を迎えた。最初のステージは2002年から活動する精鋭グループ、イルミリエッキ・カルテット(ILMILIEKKI Quartet)で長年ともにプレイしてきた2人が登場した。アコースティック・サウンドをベースに、エレクトロニクスを大胆に導入したテクノロジーにより新たな表現を模索し創り出していこうという新しいコラボレーションだ。

演奏された曲は、ポホヨラの最新アルバム『The Dead Don’t Dream』(2020,Edition)やイルミリエッキ・カルテットの最新アルバム『Land of Real Men』(2018,We Jazz)などから。オープニングでは、おそらく日本の琴とお寺の境内で鳴リ響く梵鐘の音にインスパイアされたサウンドをリズムとして用い、キーやテンポが激しく変化する実験的なサウンドが響き渡った。ヴェルネリの最新アルバムより「Voices Hard」、「Monograph」、「Wilder Brother」へと続き、内なる声を表現するインタープレイでお互いが対峙していくのが目を見張るべき瞬間だ。またプラッタラがモーグ・シンセサイザーを駆使して、彼らなりの音遊びのアイデアの詰まったテクノを表現した楽曲から一転して『Land of Real Men』の「Revelogue」はピアノとトランペットのデュオならでは間の取り方が絶妙で美しいアコースティック・サウンドだ。最後に演奏された「The Dead Don’t Dream」は、淡々としっとりとした曲調のリズムアレンジが変わっても、本質的なポホヨラ独特のゴーストが混ざるトランペットの凛々しく輝かしく美しいトーンは微塵も変わらず、厳かにホールに響き渡るサウンドが徐々に減衰していき、その余韻が最終日の幕開けのようでもあったように思う。

Verneri Pohjola & Tuomo Prättälä
© photo by Maarit Kytöharju

Tuomo Prättälä: keys, electronics

Verneri Pohjola & Tuomo Prättälä
© photo by Maarit Kytöharju

Verneri Pohjola: trumpet, electronics

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