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© photo by Maarit Kytöharju

Timo Lassy band

フィンランド

Words by JazzProbe

先述の「ユリヨ・アウォード」を受賞したタンペレ・ジャズハプニングの今年の「顔」とも言えるティモ・ラッシー率いるバンドがフェスティバルの締めとして大トリで登場。今回は、レギュラーであるパーカッションを除く(授賞式の演奏のみ参加)、カルテットでのパフォーマンスだ。まず、映像を通して会場から聴こえてくる観客の多くの歓声からも、受賞のお祝いムードと終始彼らの熱く刺激的なパフォーマンスに釘付けとなったステージであったのは確かだ。

今となってはずいぶん時間が経ってしまったように感じるが、ラッシー、マキュネン、ロトョネンがプレイした「ファイブ・コーナーズ・クインテット(FCQ)」がリリースしたデビューアルバム『Chasin’ the Jazz Gone By』(2005年)は、世界中のソウルジャズ・シーンで大ヒットし、日本でも毎年公演、およびテレビ出演を果たすなど、話題性のあるブームを巻き起こした。そんなFCQの活動の真っただ中、リリースされたラッシーのデビューアルバム『The Soul and Jazz of Timo Lassy』(2007年)は当時のFCQスタイルの流れを強く踏襲しており、より独自のソウルフルネスを前面に打ち出した。また、ホセ・ジェイムス、エジ・モッタ、ジョイスなどヴォーカリストをゲストに迎えた点でも、FCQが解散した今、そのDNAを感じられることのできる唯一のアーティストなのかもしれない。

Timo Lassy band
© photo by Maarit Kytöharju

近年は、2019年フィンランドのグラミー賞である「エンマ・ガーラ」で『Moves』(2018)が年間ジャズアルバムに選ばれた。2016年3月、ヘルシンキのサヴォイ・シアターでブラスセクションが参加したコンサート(2日間ともチケット完売)が2020年に『Big Brass』(日本ではキングレコードより発売)として発売されるなど、その活動においての高い評価が結果となって現れている。

機会があれば、これまで、トゥルク、エスポー、ヘルシンキでのコンサートに足を運んできたが、いずれの場所でも大人気のバンドである。言うなれば誰でも純粋に楽しめるインスト音楽ではあるが、そのクオリティの高さを長年セッションを共にしている仲間たちと保ち続けているのが、不動の人気の理由のひとつであることは間違いない。この後、11月16日には、サヴォイ・シアター(ヘルシンキ)で5月に予定されて延期になったリリースコンサートを行って喝采を浴びた。

セットリスト
Moves / Universal Four / Lashes / Love Spirits

Timo Lassy: tenor sax
Henri Mäntylä: piano
Antti Lötjönen: bass
Teppo Mäkynen: drums

リンク

Tim Lassy Website
Tampere Jazz Happening


Timo Lassy Big Brass Live at Savoy Theatre Helsinki

Big Brass Live at Savoy Theatre Helsinki
Must Have Jazz 2020