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© photo by Maarit Kytöharju

Antti Lötjönen Quintet East

Words by JazzProbe

All photos © Maarit Kytöharju

フィンランドを代表するべーシスト、アンティ・ロトョネン(元ファイブ・コーナース・クインテット)率いるクインテットが3日目のトリを飾った。近年では、アメリカのジェフ・ワッツ(ds)からフィンランド国内ツアーの共演者として指名され、常に高い評価を得ている実力派プレイヤーだ。

そして、今年4月に満を持してリリースされたリーダー・アルバムは、アンティ自身の音楽を創り上げるために現在のフィンランドジャズの第一線で活動する名手たちで結成された。

Antti Lötjönen Quintet East

ポホヨラ(tp)とはイルミリエッキ・カルテットから始まる長い共演があり、カンナステ(sax)とはテッポ・マキュネン率いる3TM、リーッパ(ds)とはヨーナス・ハーヴィスト(p)・トリオ、イナネン(sax)とアウトノムスで活動を共にしている。

ベーシストだけではなく、リーダー、そして優れた作曲家としての資質も持つ才能がベールを脱いだステージであったことは疑いようがない。それは、これまで数えきれないほど多くのプロジェクトに関わってきた経緯で育まれた幅広い音楽性がようやく具現化された結果でもある。60年代のマイルス・デイヴィス、ジョン・コルトレーン等が追求したモードからオーネット・コールマン、チャーリー・ヘイデンなどのフリージャズへと続く流れから受けた影響などがみられる。それは、楽器間のカラフルで、コントラストの効いたパフォーマンスを彼なりに豊かに発展させたサウンドが物語っている。ジャズにおいて、瞬時にお互いがどうアプローチをしているのかを尊重しながらインタープレイしていくが醍醐味のひとつでもあるが、まさにそういった生き生きとしたパフォーマンスを感じながら、楽しめるグループが新たに誕生したと言っても過言ではないだろう。

セットリスト
Erzeben Strasse / Mary Hartman, Mary Hartman / Oblique / Pocket Yoga

Antti Lötjönen: bass
Mikko Innanen: sopranino, alto and baritone sax
Jussi Kannaste: tenor sax
Verneri Pohjola: trumpet
Joonas Riippa: drums

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