TUNGEMÅL: Confluencia

Mark Solborg   デンマーク

Words by JazzProbe

デンマーク・コペンハーゲンを拠点に活動するギタリスト、マーク・ソルボー率いるカルテット・トゥンゲモール(イディオム、母語を意味する)が最新アルバム『Confluencia』をリリースした。ソルボーの音楽的探求として継続している「相互作用」や「交流」、「語り」といったテーマが深く表現されている。また演奏や作曲に加え、グラフィックや映像、編集など多様な表現手段を取り入れ、音楽の枠を超えた総合的な芸術体験を目指している。

前作に続きトランペットのスサンナ・サントス・シルヴァとキーボードのシーモン・トルダム、そして新たにパーカッションのインガー・ザックといった北欧、ヨーロッパの即興音楽シーンで注目されるミュージシャンが参加している。ソルボーの意図を理解しつつ、繊細かつ柔軟な即興演奏でそれぞれの個性を生かしている。明確なメロディーを中心に据えつつも、ノイズの入り混じる不完全な文脈を意図した素材を取り入れ、有機的で「生きた」即興音楽を創り出している。

タイトルの『Confluencia』はスペイン語で「合流」や「交差点」を意味し、音楽的スタイルや思想、異なるメディアの融合を象徴する。ソルボーのこれまでの芸術的な積み重ねに新たな要素を加えたもので、一度で全貌を理解するのは難しいかもしれない。繰り返し聴いていく中でその意味や楽曲の構造が徐々に明らかになる深い音楽性を持っており、感覚的に耳を傾けていくのもいいだろう。ソルボーは音楽を通して「語る」ことを重視し、その語りは旋律や和声だけでなく音の質感や空間、共演者の関係性にも及ぶ。この視点が作品に高い芸術的密度を与え、聴く者に深い思索を促す。本作はソルボーの現在の創作の位置を示すと同時にジャンルやメディアの枠を超えた新たな可能性を感じさせる内容であり、全体的な静謐さと特にアコースティック・ギターのざらついた雰囲気に直感的に触れられる。構造と即興が緻密に組み合わさった現代音楽が多い昨今の作品の中でも重要なひとつとして心に留めておきたい。

パーソネル

スサンナ・サントス・シルヴァ (Susana Santos Silva – tp)
マーク・ソルボー (Mark Solborg – g & electronics)
シーモン・トルダム (Simon Toldam – p, keys)
インガー・ザック (Ingar Zach – per, vibrating membranes)

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