On the Asylum

Johan Lindström Septett   スウェーデン

Words by JazzProbe

スウェーデンのペダルスティール奏者、作曲家、プロデューサーであるヨハン・リンドストロームの2作目「『On The Asylum』がリリース。ヨハン・リンドストロームは1972年ストックホルム生まれ。1991年からプロのミュージシャンとして北欧で活動する。

2018年初頭にリリースされた7人編成(セプテット)のデビュー・アルバム『Music for Empty Halls』は、世界中で賞賛を浴び、スウェーデンのグラミー賞にノミネートされ、スウェーデン・ラジオのジャズ・アウォードで「バンド・オブ・ジ・イヤー」を受賞した。

スウェーデンのジャズ・シーンでお気に入りのミュージシャン6名と3名のゲストを集めた本作『On the asylum』は、ABBAを始め、モニカ・ゼッテルンド、ヤン・ヨハンソンなど数々の世界の著名なアーティストがレコーディングをしてきたストックホルムの伝説的なアトランティス・スタジオでレコーディングされた。偶然にもヨハンが今回参加しているエルヴィス・コステロと初めて出会い、一緒に仕事をした場所であり、オープニングでコステロが自らの歌詞を朗読している点も注目だ。

アルバムを通して万華鏡を覗いているかのような様々な模様や色味などを持つシネマティックなストーリーが展開される異空間へと誘う。ときには巧みに不協和音を織り込み、全14曲が切れ目なく移行し、組曲のような感覚を生み出しているのである。そうしたカテゴライズされることのない独特の世界観を持つ深い音楽性は何度聴いても魅力的で、その時々によって雰囲気が変わるから不思議だ。その世界観は2021年4月にジャズクラブ「ファッシング」(ストックホルム)で初めて披露された。

参加メンバーとして、90年代にヨーロッパを席巻したサックス奏者、クラリネット奏者のペール・テキサス・ヨハンソンは、ジャズ/インプロシーンでは、元EST(エスビョルン・スヴェンソン・トリオ)のベーシスト、ダン・ベルグルンドを擁するグループTonbruketの創設メンバーとして主に知られている。Tonbruketは、6枚のアルバムをリリースしており、スウェーデンのグラミー賞(Grammis)を過去4回受賞。他のメンバーも、Ane Brun, Tonbruket, Rebecka Törnqvist, Nils Petter Molvaer, Elvis Costello, Patti Smith, Sly & Robbie, Edda Magnason, Goran Kajfes, Magic Spirits, Petter Eldh, Koma Saxoなど多くのアーティストと共演をする実力あるアーティストです。

Johan Lindström Septett
ヨハン・リンドストローム / Johan Lindström (g)
ペール・テキサス・ヨハンソン / Per Texas Johansson (s, cl)
ヨーナス・クルハマー / Jonas Kullhammar (s, fl)
マッツ・エレクリント / Mats Äleklint (tb)
イェスパー・ノルデンストローム / Jesper Nordenström (p, og)
トルビョルン・セッテルベリ / Torbjörn Zetterberg (b)
コンラッド・アグナス / Konrad Agnas (ds)

Special guests: Elvis Costello, Margareta Bengtsson & Sofie Livebrant

リンク

What What/Twenty Twenty featuring Elvis Costello
Bergen Jazzforum (YouTube)
Johan Lindström Septett

Johan Lindström Septett
On the Asylum
Moserobie Music 2020
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