Path

Mathias Landæus Trio   スウェーデン

Words by JazzProbe

スウェーデン南部出身のジャズピアニスト兼作曲家マティアス・ランデウスは1990年代にニューヨークで活動後、スウェーデンに戻り数多くのミュージシャンとコラボレーションするヨーロッパ・ジャズシーンで重要なひとりだ。1996年のデビュー以来25枚以上のアルバムを発表し、多彩な音楽性と冒険心あふれる創作姿勢で高い評価を受けている。ジャズを基盤にエレクトロニカや即興音楽、クリスマス音楽に至るまで幅広いジャンルを横断。現在、彼が率いるランデウス・トリオはスウェーデン出身でコペンハーゲンを拠点に活動中の若手注目ドラマー、コルネリア・ニルソンと国際的に注目されるベーシストのジョニー・オーマンと共に2019年発売のアルバムより活動している。主にオリジナル楽曲を演奏するが、モンクの作品やポップス、フリージャズも自然に取り入れ、リスナーに親しみやすく、かつ深みのある演奏を披露している。

本作『Path(道筋)』は欧州でアメリカ人のティム・ヘイガンズ(tp)とスウェーデン人カール・マーティン・アルムクヴィスト(ts)が加わったクインテットで、音楽のスピリチュアルな側面と構成力のある楽曲が見事に融合したアルバムとなっている。冒頭を飾る「Body: A Tree Merging with Itself」は三部構成の組曲の第一部でフォーク的な旋律と静けさの中に広がる賛美歌のような美しさが印象的。叙情的なベースソロとともにトリオが穏やかなグルーヴを築き、ランデウスとヘイガンズが自由にその中を遊泳するようにソロを展開する。続く「Mind: Saved by Imagination」は伝統的なハード・バップを基盤にしつつ、12音技法から派生したテーマを用い、そして「Spirit: Waving Flags in the Mist」では再び物悲しく抒情的な雰囲気が漂う。ホーン奏者のアドリブに加え、ドラマーのニルソンが即興表現で見せ場を作り、アンサンブルと全体のリズムに多層的な響きを加えている。さらに「Reminder」では内省的な雰囲気を持つ楽曲で三つの調を循環させながら2本のホーンによる豊かなハーモニーが印象的だ。ヘイガンズ作曲による「Free Mess」は自由度の高い曲でメシアンの第3旋法に基づいた対位法的アプローチにより、音楽的空間と余白の存在感が際立つ。ラストの「Korall」はアルバムのテーマを締めくくる静謐な楽曲で華やかさを抑えた繊細な表現により、リスナーに深い余韻と安らぎを残している。全体を通して、構成美と即興性が高度に融合したランデウスの芸術性が光る作品である。

パーソネル

ティム・ヘイガンズ (Tim Hagans – tp)

カール・マルティン・アルムクヴィスト (Karl-Martin Almqvist – ts)
マティアス・ランデウス
(Mathias Landæus-p)

ジョニー・オーマン (Johnny Åman – b)
コルネリア・二ルソン (Cornelia Nilsson – ds)

リンク

Path (Bandcamp)
Landæus Path Quintet feat. Tim Hagans & KM Almqvist (YouTube)

Mathias Landæus Trio
Path
SFÄR Records 2024
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