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© photo by Maarit Kytöharju

Reiska Laine Quintet

フィンランド

Words by JazzProbe

『タンペレ・ジャズハプニング』3日目。ベテラン中のベテランで結成されたレイスカ・ライネ・クインテットが登場。半世紀以上もの長いキャリアのある、レイスカ・ライネ(ds)が満を持して結成したバンドである。1961年11月、ヨーロッパツアーでヘルシンキへ降り立ったジョン・コルトレーンの音楽を聴いて、15歳のライネ少年はジャズを演奏する意外に選択肢がなくなるほど人生が変わってしまったという。1曲目は、そのコルトレーンに敬意を払うかのように代表作『至上の愛』収録の「Resolution」が演奏された。年輪を重ねた滑らかで力強いアールトネンとコイヴィストイネンのダブルテナーが炸裂し、一気にコルトレーン・ワールド全開となった。ライネ率いるこのグループは”コルトレーン体験したその日”から半世紀以上を経ても、コルトレーンと対峙した魂が消えることはなく、依然としてそのDNAが継承されているのは明らかだった。また、アールトネンの美しい叙情性のあるフルートにコイヴィストイネンの囁くようなテナーサックスのフレーズのコンビネーションが洒落たハーモニーを生み出し、オリジナリティあふれる雰囲気を醸し出していた。

Reiska Laine Quintet
© photo by Maarit Kytöharju

そして、モンゴ・サンタマリア作曲の「Afro Blue」の後、イタリアのパバロッティに代表されるオペラの「3大テノール」ならぬ、フィンランド・ジャズのまさに「3大テナー(サックス)」、夢の饗宴が実現!ここで、ライネの紹介により、昨日のアウォード受賞のティモ・ラッシーが登場。ラッシーのアルバム『MOVES』収録でコイヴィストイネンを迎えた「Casa De Ferro」が3人並んで華々しく演奏された。この曲をライブで共演するのは初ではないだろうか(L-R/ユハニ・アールトネン~エーロ・コイヴィストイネン~ティモ・ラッシー)。おそらく、もう二度と目にすることのできない、フィンランドを代表するミュージシャンが揃ったステージを目に焼き付けられた機会に感謝したい。

Reiska Laine Quintet
© photo by Maarit Kytöharju

Reiska Laine: drums
Ulf Krokfors: bass
Seppo Kantonen: piano
Eero Koivistoinen: tenor sax
Junnu Aaltonen: fl & tenor sax
Timo Lassy: tenor sax (guest)

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Reiska Laine
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